新型コロナウイルスを客観的に捉える必要性

新型コロナウイルスについて様々な情報があふれていますので、ここでは分かりきっている事実のみ記したいと思います。まず、新型コロナウイルスは過去に発生したSARSウイルスによる近いウイルスということです。このSARSウイルスも感染して悪化した場合、死亡するまでのスピードが速いタイプでしたが、現在のようなグローバルなヒステリー状態には至りませんでした。これは、欧米人での感染死亡者数が殆どいなかったことにより、アジアの一部地域のローカルな風邪というふうに受け止められたことによります。当時、私自身も仕事上、韓国や中国の方と接触することがありましたので、保健所に電話確認したりしました。その際の保健所の助言は、韓国や中国の渡航者が来日後2週間の観察期間を置いて発症してなければ心配ないということでした。今回の新型と同様の措置です。風邪というのはコロナウイルス感染によるところが多いのですが、既知の風邪に効く薬や予防ワクチンは存在しません。風邪に対しては症状に対する対処療法しかなく、悪化して無くなるのは肺炎まで進行してからが最も多く、世代は幼児と高齢者に多い傾向があります。つまり、悪化してからの対処しか考慮していないのがこれまでの医療対応です。但し、肺炎による死亡率の高い世代には肺炎球菌ワクチンなどが予防措置として取られる程度です。しかし、今回の新型には特別にワクチンの開発製造がなされる予定ですが、これまでの慣例からすると異常です。メディアは毎年発生する風邪やインフルエンザによる死亡率との比較を公表していません。しかし、高齢者が肺炎を患った場合は、まず間違いなく助からないのが常識ですが、今回の新型ではあたかも特殊なことのように報道されています。高齢者の死亡リスクの高いものとして誤嚥性肺炎があげられることは広く知られていますが、注意すべきは肺炎まで進行した場合なのです。肺炎はウイルスが直接肺に入って増殖した結果引き起こされますが、通常は喉の繊毛運動によって胃に送られて、強い酸によって滅菌されます。喉の繊毛運動は常に喉が唾液で潤っていることが必要なのですが、喉が乾燥していると繊毛運動によってウイルスが胃に送られず肺に侵入し易くなってしまいます。ウイルスが喉に取り付いて感染するまでに15分程要すると言われます。喉が乾燥するような時は、チビチビと飲み物を飲んだり飴などを舐めたりすることが予防に効果があります。マスクの効用は、ウイルスを防ぐというより、マスクによって留められた呼気に含まれる水分を再吸気して喉を乾燥から防ぐことにあります。マスクの買占めに走る人が多い現状ですが、N95のマスクでウイルスが遮られるかというとそうではありません。今になってマスクの効用を否定していた米国が一転して肯定し始めた背景にあるのは、単にマスク着用が早くに広まっていた日本などが、欧米に比べ感染率や死亡率が少ないということのみによるものです。しかし、日本は他国に比べPCR検査数が少ないという事実があります。つまり、潜在的患者数が顕在化していないだけなのです。